1)施工図を描くための
風量の算出が計算できる。
各種サイズの決定からファン静圧の計算ができる。
建築構造図(躯体図・断面図・梁リスト・柱等) 建築デザイン等の調整および調和(機器の適正な配置検討ほぼセンス)
設計内容・設計仕様の理解とチェック(設計図にある仕様書を必ずチェック)
変更内容等に対応できるノウハウがあること
2)施工図の作成順序
- 建築・設備設計図からのおさまり検討図(機械室等)及び計算書作成(必要な場合)
- 施工要領書の作成(一般工事では、各社の施工要領所があると思いますので一度確認を
- 壁廻りプロット図の作成(スイッチ類・壁取付機器(有圧扇・外部ベンドキャップ・ウエザーカバー類)※この時点では建築・電気工事との打ち合わせがほぼ完了していないと書けないので打ち合わせの事。
- 躯体図を落とし込んだダクト及び配管平面図の作成
- スリーブ・インサート図(現在梁貫通等の図面チェックは非常にきびしい為追加工事以外はなるべく確認申請通りスリーブを入れるのがいいので再度確認してください。
- 機械室廻りの詳細図(設備の心臓部になる為早い段階で施工図を起こしチェックする事機器の重量が重過ぎる場合躯体の変更が必要になる可能性もあります。)
- 各所詳細図(断面詳細図・部分詳細図)
- 各協力業者との打ち合わせ(結局これをしないと後で技能工具ノウハウ等で施工できなこともある)
3)ダクト材質・ダクト部材その他関連部品について
材質
•屋内一般
亜鉛めっき鉄板(最も一般的にしようされている材料)
•外部・腐食しやすい気体
- ガルバリウム鋼板(外部につかわれている)
- 塩ビ被覆鋼板、 耐食、耐薬品用主に工場など
- ステンレス製鋼板 (特殊仕様な場合工場など)
- 材質は下にいく程高くなります。現場の予算に合わせて調整してください
板厚
- 0.5mm,0.6mm,1.0mm,1.2mmまでが一般的に使 用されていますが防火区画貫通部には1.6mmの板厚のダクトを使用しFD(ファイ ヤーダンパー)を取付します。
- 板厚に関しては、ダクト内圧力低圧・高圧 ダクト大きさによって変化します。
- 接合方法
- アングルフランジ接合(フランジ工法、FG)こちらは、厨房ダクト、薬品工場等で使用密閉性優先
- 共板フランジ接合(共板工法 TFD TDC)こちらの方が現在一般的
補強
- 内部を通過する空気の流れによってダクトの鉄板が振動を起こしたり、過大な圧力で変形したりするのを防ぐ目的でダクト内圧力が高い場合使用する。
ダクトの種類
ストレートダクト類
- 角丸 角ダクト(矩形ダクト)から丸ダクト(スパイラルダクト)へ変更する場合に使用する
- ホッパー
- Sカーブ
- 変芯
- Zカーブ
- 梁巻き
- 取出し
- フレキ類
- 保温フレキ(消音フレキ)ダクトの強度が必要ないところで保温工事を省く場合とかに使います。消音目的の場合もあります。現実おさまりがどうしても無理 な場合(狭くて保温できない部分)とか使う場合もあります。(なるべく避けましょう)
- たわみ継ぎ手(キャンバス)振動する機器廻りに使用します。
- エルボ類
- 90度エルボ
- 45度エルボ
- 任意角エルボ
- ガイド付丸エルボ
- ガイド付角エルボ
- 内Rエルボ
- 外Rエルボ
- 消音エルボ
- 分岐類
- 2方向分岐
- 片直片S2分岐
- 立上2方向分岐
- S月2方向分岐
- 双方向分岐
- 右エルボ片上
- 左エルボ片上
- T型分岐
- T型消音分岐
- T字管直
- T字管テーパー
- 3方向分岐
- S付3方向分岐などなど
ダンパー類
ダクトで制御が必要な時に使用する
- 風量調整ダンパー VD(ボリュームダンパー)
- 防火ダンパー FD(ファイヤーダンパー)
- MD(モーターダンパー)
- 逆流防止ダンパー CD(チャッキダンパー)
- 防火風量調整ダンパーFVD(ファイヤーボリュームダンパー)・・・現在販売していません
- ガス圧式ダンパー PD(ピストンダンパー)
その他ダンパー資料は、メーカーサイトご確認ください。
空研工業
協立エアテック
制気口類
天井に取付する風を吸込んだり吹出したりする器具
レジスタ型
- VHS(吹出用としてよく使います)
- HS(吸込用としてよく使います)
ライン型
- VL(ブリーズライン)ビルの空調とか目立たせたくない場合とかに使います
- CL(カームライン) 〃
グリル型
- スリット
- パンチング
- マッシュルーム
- ノズル ロビーとか目立たないようする為(ほぼ意匠で決定)
- パンカールーバ 厨房とかスポット的な使い方
- ディフューザー
アネモ型
- C2
- PC
- E2
- PE
建築ガラリ
- ドアガラリ・外部ガラリ (建築工事取合となる為十分注意して決定してください。特に開口率が小さいと風切音が発生問題になる可能性があります。)
- ウエザーカバー
- •有圧扇取付部・ダクトの外部取付等
※有効開口率は、メーカーと種類によって異なっいます。TELにて確認してください。
4)資料及び備品の用意
•施工図を描く上で必ず資料を用意する必要があります。
必要書類は
1.機器承諾図(機器類の詳細図)
2.施工要領書(設計図の共通仕様書によるが官庁工事であれば公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)・公共建築設備工事標準図・機械設備工事管理指 針)等 一般工事に関しては、自社施工要領・客先施工要領・日本建築家協会監修建築工事標準仕様書など)
一般仕様
建築設備工事共通仕様書: 品質・性能を確保するための仕様書 (2022年度版)
官庁仕様
機械設備工事監理指針〈令和元年版〉
公共建築工事標準仕様書に基づく機械設備工事の施工管理(施工計画書作成要領)令和2年版
1.チェックリスト(施工図を描く上でのチェックリスト)
2.建築施工図(躯体図・建築平面図)
3.設計図(建築・電気・設備・その他(とりあいのある関係図))
4.設備複合図参考(プロット図・天井伏図)・・・・実際は平行作業になります。
5.各種カタログ(機器・ダンパー・ユニット類)
6.機器取扱説明書・機器据付説明書(確認をしていないとあとでメンテスペースが足らない事になる)
7.パソコン・CADソフト(jww・cape・AUTOCAD・設備CADなど)
8.計算機(最近は、PC連動型タイプがあるのでこれがおススメ)
9.既設改修用測定機器類(アネモマスター・温湿度計・騒音計)
アネモマスター(風速計)
騒音計
5)ダクト寸法の決め方
ダクト寸法の選定基準は、各施設により異なっている為(騒音等の問題で)基準を確認をしよう
各施設基準にて条件を決定しダクトメジャー(最近販売していません)及びアプリ使用
気体がダクトを通る場合は、圧力損失Δp(抵抗)が発生します。
基本的には、1mmAq/m(9.80665pa/m≒1Pa/m)で計算することが多いです。
ファン の能力に余裕がある場合や工場等でやる場合や、制限風速に余裕がある時は、その限りではないです。
これを計算する時は、上記で書いたダクトの材質・ダクト 内風速・最大摩擦損失などは、ある程度決めて施工図をおこしましょう。
アスペクト比についてですが、基本は正方形の形が一番抵抗が少ないのでなるべくこの形でで施工図をかけば問題ないですが現実納まりが厳しいので形を変え ていくと思います。
変える場合は、風速や損失の確認をして図面をおこしましょう。
ダクトのボックスについてですが ボックスサイズは、ダクト寸法より100mm大きく作るのが基本です。
ダクトの縦サイズが500横が600ならボックスサイズは縦700横800になります。丸ダクトの場合も同じ要領です。
ダクト抵抗計算書
6)制気口の決定及びサイズ
- •制気口は、設計図に風量から割り出した参考サイズが記入しているが納まり上意匠上等で変えることが多々あります。変更方法は、各制気口の開口率を確認し 最大面風速(参考:吹出)を確認する
- •吹き出し速度一般推奨値は、住宅・個人事務所・アパート・ホテルで2.5~3.8m/sec
- •吸い込み速度一般推奨値は、人が居るポイントが近い場合で2~3m/sec程度ドアアンダーカットで1~2m/sec程度で考えてもらえばいいと思いま す。
ダクトメジャーは、最近つかっていません。
などのiphoneアプリを使っています。
7)製図上の留意事項
ダクトの防火区画貫通部は、必ず1.6mmダクトを両壁から+50以上突き出しすること
ずいぶん前にダクト工事の担当者が自分の判断でFDを壁に突っ込 んでオシマイみたいな施工していました。
この方法では、FDが炎に耐えられず落下し防火ダンパーの役目を果たせません。
やり変えになってしまうので注意し てください。
必ずFDに支持を取りましょう。
天井内に設置する場合は、必ず近くに天井点検口を設け点検・操作できる位置にしましょう。
いがいとよく問題になるのがFDのヒューズ交換できないような場所にFDがあるのを見かけます。
メンテナンススペースが必要ですので各メーカーに確認 してください。
あとヒューズにも温度設定があるので注意を!
天井器具接続上部のボックスは下端を150~200程度はなすこと(天井下地と干渉します)
ダクトを天井ギリギリに施工する場合(梁下横断部等)は、埋込照明器具と干渉しないか確認をしてください。
ダウンライトとか特に高い位置まできますのでだ いたいCHより200以上まできたりします。
8)ダクト施工例
ダクト拡大縮小・コイル取り付け廻り
ダクト割り込み・直付け・曲がりまでの距離
ダクトRのについて
その他参考資料
(換気設備編)
室内空気汚染の設計基準濃度
単独指標としての汚染室と設計基準濃度[SHASE-S102-03]
汚染質 | 設計基準濃度 | 備考 |
二酸化炭素 | 1000ppm | 建築物衛生法の基準を参考とした |
一酸化炭素 | 10ppm | 建築物衛生法の基準を参考とした |
浮遊粉じん | 0.15mg/m3 | 同上 |
二酸化窒素 | 210ppb | WHO(世界保健機構)の1時間基準を参考とした |
二酸化硫黄 | 130ppb | 同上 |
ホルムアルデヒド | 0.1mg/m3 | 建築物衛生法の基準を参考とした |
酸素濃度の影響と基準
酸素濃度(%) | 影響と基準 |
約21 | 標準大気濃度 |
20.5 | 建築基準法の換気量の基準 |
20-19 | 不完全燃焼によるCOの発生が急増し始める |
18 | 労働安全衛生法の基準 |
16-12 | 脈拍・呼吸数の増加、めまい頭痛 |
15 | 燃焼器具の火が消える |
12 | 短時間に生命の危険があるとされる |
法規による換気量
換気量 (外気量) | 条件 | 法規名 | |
居室 | 1人当り20m3/h以上 | 別表参照 | 建築基準法 |
火気使用室 | 別表参照 | 別表参照 | 建築基準法 |
冷凍機設置室 | 法令冷凍トン当り24m3/h | ・20冷凍トン以上のフロンガス冷凍機使用の場合 | ※地方条例により異なるので注意 高圧ガス保安法 |
屋内駐車場 | 換気回数が10回/h以上 | 床面積1m2当り25m3/h以上 ・床面積が500㎡以上で窓の大きさが床面積の1/10未満の場合 | 都建例第31条の2の3 |
興業場 (劇場・映画館・ 演芸室・公会堂 集会場の客席 | ・ 75m3/h・m2以上 ・温湿度調整装置ある時は 外気量25m3/h以上 | ・床面積の合計400㎡以上または地下興行場(第一種)地上で150~400㎡(第一種又は第二種)地上で150㎡以下(第一種・二種・三種のいずれか) 興行場法 | 興行場の構造設備及び衛生の基準等に関する条例施工規則第156号 |
地下構築物 (店舗・事務所・興行場 ・地下道など) | 地方条例により異なる (外気取入3m以上) ・30m3/h・m2以上 ・温湿度調整装置がある場合は 10m3/h・m2以上 | ・第一種換気の場合、常に (給気量)>(排気量) ・各地下の戸には、給気口または 排気口を設ける。 ・厨房・便所または蓄電池室 は専用排気 ・床面積の合計 1000㎡を超える階(第一種)1000㎡以下の階(第一種又は第二種) | 東京都建築安全条例 |
参考換気回数
室名 | 参考換気回数(回/H) |
便所・洗面所 | 5~15 |
更衣室 | 5 |
湯沸かし室 | V=40~20kQ フード形状により異なる V=有効換気量(m3/h) k=燃料の単位燃焼量あたりの 理論廃ガス(m3/kcal or kg) Q=火を使用する設備又は器具の 実況に応じた燃料消費量(kW,kg/h) |
書庫・倉庫 | 5 |
暗室 | 10 |
コピー室 | 10 |
浴室・シャワー室 | 3~7 |
台所 | V=40~30kQ フード形状により異なる V=有効換気量(m3/h) k=燃料の単位燃焼量あたりの 理論廃ガス(m3/kcal or kg) Q=火を使用する設備又は器具の 実況に応じた燃料消費量(kW,kg/h) |
業務用厨房 | V=40~20kQ フード形状により異なる V=有効換気量(m3/h) k=燃料の単位燃焼量あたりの 理論廃ガス(m3/kcal or kg) Q=火を使用する設備又は器具の 実況に応じた燃料消費量(kW,kg/h) |
ボイラ室 | 10~ 概略設計の場合用 実施設計の場合発熱量・温度上昇・法規制などによる |
冷凍機室 | 5~ 概略設計の場合用 実施設計の場合発熱量・温度上昇・法規制などによる |
電気室 | 10~15 概略設計の場合用 実施設計の場合発熱量・温度上昇・法規制などによる |
エレベーター機械室 | 10~30 概略設計の場合用 実施設計の場合発熱量・温度上昇・法規制などによる |
駐車場 | 10 概略設計の場合用 実施設計の場合発熱量・温度上昇・法規制などによる |
居室の必要換気量(外気量)参考値
室 名 | 標 準 人 員 密 度 人/㎡ | 必 要 換 気 量 m3/m2・h |
事務所 個室 | 0.2 | 6.0 |
事務所 一般 | 0.24 | 7.2 |
銀行営業室 | 0.2 | 6.0 |
売店売場 | 0.3 | 9.1 |
レストラン・喫茶店(一般) | 1.0 | 30.0 |
レストラン・喫茶店(高級) | 0.6 | 17.7 |
宴会場 | 1.2 | 37.5 |
ホテル客室 | 0.1 | 3.0 |
劇場・映画館(一般) | 1.6 | 50.0 |
劇場・映画館(高級) | 1.2 | 37.5 |
休憩室 | 0.5 | 15.0 |
娯楽室 | 0.3 | 9.0 |
小会議室 | 1.0 | 30.0 |
バー | 0.6 | 17.7 |
美容室・理容室 | 0.2 | 6.0 |
住宅・アパート | 0.3 | 9.0 |
食堂(営業用) | 1.0 | 30.0 |
食堂(非営業用) | 0.5 | 15.0 |
——————————————————————————–
低圧ダクト及び送風機吹出し・吸込口の風速【ASHRAE1963】
※低圧ダクトのみです。
部位 推奨風速
推奨風速 | 最大風速 | |||||
住宅 m/s | 公共建物 m/s | 工場 m/s | 住宅 m/s | 公共建物 m/s | 工場 m/s | |
送風機吸込口 | 3.5 | 4.0 | 5.0 | 4.5 | 5.0 | 7.0 |
送風機吹出口 | 5.0~8.0 | 5.6~10.0 | 8.0~12.0 | 8.5 | 7.5~11.0 | 8.5~14.0 |
主ダクト | 3.5~4.5 | 5.0~6.5 | 6.0~9.0 | 4.0~6.0 | 5.5~8.0 | 6.5~11.0 |
枝ダクト | 3.0 | 3.0~4.5 | 4.0~5.0 | 3.5~5.0 | 4.0~6.5 | 5.0~9.0 |
分岐立上ダクト | 2.5 | 3.0~3.5 | 4.0 | 3.25~4.0 | 4.0~6.0 | 5.0~8.0 |
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